彼岸花各色

「この花は嫌い。血の色のよう。」
女はそう言って窓の外から視線を逸らさなかった。
毎年暖冬だろうと冷夏であろうと、たがわず彼岸の季節に咲く花。
窓の外に連なる畦一面を染め上げている。
しとしとと降る雨は、音を立てて乾いた土を叩く。
男は、女から視線を外さない。
女は続ける。
「花枯れ後しか葉が出せない不憫な植物。実のならない花。」
その視線は意志を持たぬかのように、戸外を彷徨う。
赤い唇が囁く。
「縁起が悪いと言いながら、この花は抜かれることなく、赤で村を染め上げるの。」
男が口を挟む。
「山野墳墓の辺りに多くあり。故に俗に死人花というて、人家忌みて植えず。」
はっとして、女が漸く男に視線を向ける。
「<和漢三才図会>にある。家の傍には植えないらしいな。」
女は頷く。
「実のならない花がこんなに広がっているのは、人の手で植えたから。
作物を獣害から守るための智慧・・・。」
「土竜や土を掘る獣除けだったんだな。」
女は再度頷く。
男が続ける。
「しかし毒がある。」
息を呑む気配を幽かに見せたものの、女の視線はまた屋外を彷徨っている。
「植物毒のアルカロイド。
トリカブトのアコニチン程強くはないが、リコリンを含有している。
これ程身近に手に入る毒も珍しい。」
「それで?」
女の声色に冷たさが差す。
「この辺りは疎開先になっていて、戦中は毒抜きをして球根を食べたそうだな。
村のお年寄りは未だに作り方を覚えている者も多い。
彼岸花の球根で作る、でん粉団子の作り方をだ。」
「・・・・・・。」
「知ってるか?珈琲の苦味成分のカフェインもアルカロイドの一種なんだ。
かなり柔らかいものだが。」
「へえ。知らなかったわ。飲むのを控えなくちゃね。」
「毒と薬は表裏一体だ。控える必要はない。
実際、彼岸花の毒も、生薬として使われていた。」
「詳しいのね。」
「調べたからね。君も随分研究しただろう?」
男の視線は、ずっと女に注がれたままだ。
皮肉気な口元。
女は体を動かして、正面から男を見据える。
氷のような視線で。
「だって彼をその毒で殺したのは他でもない君なのだから。」
見詰め返す男の視線は、女と同じほど冷たかった。



などと。
物騒な物語から入ってしまいました^^;
物語はこの前後があり、非常にダイジェストで抜粋しましたので、
わけわかんなかったら、ゴメンナサイなのですが。

今週はお彼岸で、あちらこちらに彼岸花が咲いてます。
センサー仕掛けか?と思うほど、この季節、見事に咲き誇ります。
私は赤い花が基本的に嫌いですので、
モチロンこの彼岸花も嫌いなんですが、
どーしようもなく絵になってしまうのもこの花の特徴で。
性懲りもなく、カメラ片手にお散歩してしまうんですな。

で。
見つけた赤以外の彼岸花。
白いのは見たことあったんですが、
今年はピンクも発見しました♪
携帯百景とかFlickrにはUpしたのですが、
やはりこちらにも載せますねw

画像画像クリックで拡大。


ピンクだと、毒々しさが減って、
どちらかと言うと、可愛らしい感じになりますね。
形より、色が毒々しいのかなあ?

画像画像クリックで拡大。


かと言って。
白いと仏教花のよう。
実際お寺周りとかに植えられている地方もあるそうです。

画像画像クリックで拡大。


で、今年の赤いのも一応。
赤はやっぱり「地獄花」と言われるのがわかる気がします。
この花見てると「彼岸」を船で渡りながら、
「人を呪わば穴二つ」
なんて言われてしまうような気がします(爆)
あ。
その前に「いっぺん死んでみる?」って言われるかw
イヤですけどw
(わかる人だけわかってw)

黄色い花もあるそうなんですが、それはホントに種が違うと聞きました。
欧州では品種改良が盛んで、沢山の品種があるそうですし。
ホントかどうかはよくわからないです。
見たことがないので何とも。
日本の花は三倍体で、種子では増えないため、改良出来ないんだそうです。
球根で増やすというのは、クローン作ってるのと一緒ですものね。
もし、いつの日か見かけることがあれば。
忘れずに撮りたいなーって思うのでした☆


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この記事へのコメント

2009年09月27日 10:13
>白いと仏教花のよう。
>実際お寺周りとかに植えられている地方もあるそうです。

実際に近所で有名な花のお寺に白彼岸花が植えられているなかたんです。このお寺、最近行ってないけどまた行きたいな~と。

それにしても、ピンクは珍しい・・・。

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